洗面台の選び方 後悔した事例別に解説

洗面台の選び方 

住宅の中でも、洗面台というのは使用頻度の高い設備になってきます。
なんとなく、「カタログに載ってるコレで」と決めてしまいがちな洗面台ですが、後から後悔したということも多い部分でもあります。
本記事では、実際に洗面台を使ってみて、「洗面台選びで失敗したこと」についてのアンケートをもとに、対応策を解説させて頂きます。

こんな洗面台にしておけば良かった

『洗面台選びで失敗した!』という部分のアンケート結果は、以下のようになっております。

LIXIL社 2018年アンケート

上記のグラフを大まかなお悩み別でまとめると以下のようになります。

洗面スペースの確保

・洗面ボウルを大きくしたかった 38.9%
・洗面化粧台の幅を広くしたかった 13.9%

収納量の確保

・物を整理整頓しやすくしたかった 33.3%
・収納スペースを広くしたかった 30.6%

清掃性

・掃除がしやすいものにしたかった 27.8%

その他の使いやすさ

・鏡を大きくしたかった 16.7%
・洗面化粧台の高さを変えたかった 19.4%
・顔や全身を明るく照らしたかった 5.6%

デザイン性

デザインをかっこよくしたかった 19.4%

というように、洗面スペース・収納量・清掃性・使い勝手・デザイン性が主なお悩みになってしまっています。

お悩みタイプ別に紹介

アンケート結果から読み取れる、後から後悔してしまった洗面台選びについて、タイプ別に具体的な対応プランをご紹介させて頂きます。

洗面台を大きくしたかった

洗面台が小さいことによる問題としては、
やはり「一人づつしか使えない」ということに尽きます。(スペースが広ければ必然的に収納量も確保可能)
洗面台の利用シーンとしては、『朝の身支度』『入浴時』『就寝前の身支度』このタイミングに集中します。
2人ぐらいであれば、なんとかなりますが、家族が増えると順番待ちになってしまい、それが毎日ずっと続きます。
ちなみに私の自宅では、一番多いときで7人家族でしたが、洗面台に関する悩みは特にありませんでしたので、その方法もご紹介します。

①洗面スペースそのものを確保できる間取りにする

まずはなんといっても、洗面台のスペースを確保できる間取りにしておくことが先決です。
新築の場合であればプラン次第でなんとでもなりますが、リフォームの場合は手直しを入れる必要があります。
洗面台の交換時期に合わせて、洗濯機置場も移設してしまうのがオススメです。
裏技として、テラス囲いを作ってしまい、そこに洗濯機置場を移設してしまうという方法もあります。
そちらの方法については別記事にて解説しておりますので、こちらを御覧ください。
【洗濯物が楽になる】裏技リノベ:テラス囲い&サンルーム
洗面スペースはできる限り長く確保することで、広々としたカウンターにしたり、ダブルボウルの洗面台にすることができます。

②ダブルボウルにする

洗面ボウルが2つある=ダブルボウルのタイプを選択することで、同時に二人使用することができるようになります。
朝の忙しいタイミングでも、順番待ちをすることなく洗面台を使用することができます。
特に洗面台でお化粧をしたい女性にとっては、洗面台を一つ専有してしまっても、もう片方で家族が身支度出来ますので、オススメの洗面台プランです。

③造作カウンターにする

洗面スペースを確保したい場合は、作り付けのカウンターを作り、洗面ボウルや鏡、収納スペースなどを自由にレイアウトするという方法もオススメです。
デザインにも制限がありませんので、タイルやモールテックスを使用して、ご自分のお好みのデザインにすることが可能です。
また、高さも自由に設定出来ますので、1枚カウンターではなく段付きのカウンターにすることで、片方は立ったまま使用し、片方は座ってメイクをするときに使うなどの使い分けも可能です。
造作というと金額が掛かりそうですが、シンプルに「カウンター板の上にボウルを乗せるだけ」にすれば、安価に広々とした洗面スペースにすることが可能です。

④サブ洗面台を設ける

私の自宅でも採用した方法で、サブの洗面台を用意しました。
1Fの脱衣場にメインの洗面台と、2Fに小さなサブの洗面台というように、2台の洗面台を設置しました。
一番多いときで7人家族で生活していましたが、洗面台で特に後悔を感じたことはありません。
空間自体が分かれているので、歯みがきは寝室付近の2F、手を洗う時は玄関に近い1Fなど、シーンごとに使いやすい場所の方を選べるのも便利なポイントです。
ただし、サブ洗面台を用意する場合は、新たに給水・給湯・排水をそれぞれ配管しなければいけませんので、新築かフルリフォームのときなど、配管がしやすいタイミングで計画すると良いかもしれません。

収納量の確保

洗面台の周りには、沢山の物を置くことになります。
歯ブラシ、ひげ剃り、スキンケア用品、化粧用品、バスタオル、着替え、掃除道具、洗剤等の買い置き等々、多種多様な物が必要になりますし、場合によっては人数分必要なものも。  
また、『常に出しておくもの』と『隠して置きたいもの』という点についても考えなくてはいけません。
毎日のことですので、ミラーキャビネットがあっても後々使わなくなって、結局出しっぱなしになってますというお話もよく伺います。

①収納は引き出し式にする

メーカー製品の洗面台を採用する場合、下部キャビネットの収納は開き戸タイプではなく、引き出しタイプのものを選択しましょう。
引き出しが前まで出てくるので、収納の奥の方に入れたものでもスムーズに出し入れすることが可能です。
また、2段か3段になっていたりするので、収納空間を上下にも無駄なく使い切ることが可能です。
レールで構造が複雑になる分、多少金額は上がりますが、その分のメリットはある、コストパフォーマンスの高いオプションです。

②洗面所に収納を造作する

洗面所内に収納を造作してしまうことで、バスタオルや着替え等を収納しておくスペースを確保することが可能です。
収納を作るスペースさえあれば、リフォームの場合でも行いやすい工事になります。
写真のように扉を付けて、隠すものとすぐ使えるものに分けるというような使いっても可能です。何より収納造作であれば、ご家族の使い方に合わせて、自由にレイアウトをすることが可能になります。
造作ですので、シンプルに棚と仕切りをつけるという方法であれば、安価で実現可能ですし、稼働棚にしておくことで、将来的にも自由にサイズ調整をすることも可能です。

③洗面台のサイズを大きくする

洗面スペースの確保の話でも触れましたが、単純にスペースを広く取るというのは有効です。
メーカー製品であれば、収納と連結できるユニットになっておりますので、片側あるいは両側に収納ユニットを設置することが可能です。
それ以外にも、カウンター造作で、天板の下にも1段か2段ほど、棚を造り付けておくことも有効です。
造作の場合は、シンプルにすれば費用も抑えられますし、デザインも自由にすることが出来ます。
反面、扉まで造作すると金額が上がってしまう傾向にありますので、収納は必ず扉で隠したいという方はメーカー製品の方が良いかもしれません。

④上部のデッドスペースを活用する

洗濯機の上部や洗面台の上部に収納を設けましょう。
メーカー製品であれば、洗面台に吊戸棚がセットになっている製品もありますので、こちらを選択するのも良いですし、棚板をつけることも可能です。
棚板をつける場合は、後付の場合は金物を使用すれば取付可能です。
同様に吊戸棚も後付可能ですので、洗濯機上部に取り付けるのも良いかもしれません。
こちらも、部分リフォームが可能な工事です。
上部はどうしても出し入れが大変になってしまいますので、使用頻度や重さに合わせて、上部にしまっておくものと下部にしまっておくものをコントロールしましょう。

清掃性

洗面台は毎日使う部分ですので、お手入れのしやすさも重要になります。
特に洗面台まわりは、水はねが多い部分ですので、こまめな掃除が必要な部分になってきます。

①ハイバックカウンターにする

洗面台は手を洗うときなど、水はねの多い部分ですが、
特に背面部分は跳ねた水が溜まりやすく、水垢になりやすい箇所でもあります。
メーカー製品の場合ですが、ハイバックカウンターという、洗面ボウルが継ぎ目なく背面まで立ち上がっているタイプの洗面台にすると、さっとひと拭きするだけで掃除できますし、材質も洗面ボウルと同じ材質ですので、そもそも水回り特有の汚れにつよい材質になっています。

水栓が天付けタイプのものを選ぶ

洗面台で跳ねた水が溜まりやすいポイントのもう一つが、水栓の根本です。
毛細管現象で、水栓の根本などの細い隙間にも水が入っていってしまいますので、気をつけていても、時間が経つと水栓の根本が黒ずんでしまったということはよくあります。
清掃性の面で言えば、できれば壁出し水栓、理想、ミラーキャビネット下部に水栓が付いている点付けタイプを選びましょう。
水栓の根本に水がつかないようにしておくことで、そもそもの掃除頻度を少なくすることが可能です。
天付けタイプであれば必然的に①のハイバックカウンターにもなっておりますので、そもそも汚れがつきにくく、少し拭いてあげるだけで綺麗にできますので、家事の負担が軽減されます。

タイル貼りは避ける

タイル貼りにすることで、デザインの幅が広がりますが、どうしても目地が後々汚れてきてしまいますので、清掃性を優先したい方は、タイル貼りは割けた方が良いでしょう。
デザイン性も清掃性も諦めたくない!という方は、モールテックスという左官材などもおすすめです。
デザイナーズのようなモルタル仕上げですが、伸縮性がありクラックが出にくく、水にも強いという特殊な材質で、意匠に拘った店舗や、ホテルなどでも使用されています。

その他の使いやすさ

①洗面台の高さ

使いやすい洗面台の高さというのは、人それぞれです。
一般的に使いやすいと言われている高さは、
身長155cmくらいの方→75cmの高さ
身長165cmくらいの方→80cmの高さ
身長170cmくらいの方→85cmの高さ
となっています。
ですが、あくまで一般的な話で人それぞれですし、家族構成によっても異なりますので、ぜひ一度ショールームに行って、実物で高さを比較してみましょう。

②小物入れが充実している物を選ぶ

洗面台まわりで困るのが、小物の置き場です。
収納力のある3面ミラーキャビネットや、小物を収納できるポケットがあるものを選びましょう。
使用頻度の高い物を、すぐに取り出しやすくしておくと、毎日の身支度が楽になります。

デザイン性

洗面台は、他の水回り設備と比較しても、造作で作りやすい部分でもあります。
お気に入りの洗面台を作りたい場合は、洗面台を造作で作ってしまうことをオススメします。

①アクセントでタイルを使う

洗面カウンターや、側面の壁、背面の壁などに、アクセントでタイルを使用することで、お好みのデザインにすることが可能です。
モザイクタイルや、サブウェイタイル等は、デザインも合わせやすく種類も多いので使いやすいタイルです。
部分で貼り分けたりすることも可能です。

②モールテックス

清掃性の面でも少し解説させて頂きましたが、最近出てきた左官材でモールテックスという材料があります。
これは色々なモノをモルタル風の仕上げにすることが可能な材料なのですが、モルタルは施工後すぐにヘアークラックが発生し、経年でどんどんクラックが大きくなっていくという特性があります。これはこれで風合いがあって良いものですが、水回りや手で触れる部分には適していません。
ですが、このモールテックスは柔軟性が有るためクラックが発生せず、水回りにも強い為、今までモルタルを使えなかったような、洗面台やカウンターをモルタル風仕上げにすることが出来ます。
手で触れた際にも、しっかりとした質感があるので、本格的なデザインを取り入れることが可能です。

③鏡にこだわる

鏡をおしゃれな物を選ぶことで、大きくイメージを変える事ができます。
円鏡や海外輸入のものなど色々ありますので、お気に入りの鏡を探してみましょう。
メーカー製品の場合でも、実は洗面カウンターだけ購入し、鏡は別の物を取り付けるということも可能です。

④フロートキャビネット

メーカー製品の場合でも、ちょっとした特別感を演出したい場合には、フロートキャビネットなどがオススメです。
洗面台下部の収納が、床に設置しているタイプではなく、壁付けで床から浮いているスタイルのキャビネットです。
床が広く見えて、スッキリとしたデザインになりますが、収納力では床置きタイプには劣るので注意が必要です。

まとめ

洗面台選びで後悔してしまいやすいポイントである、
・洗面台が小さい
・収納が足りない
・掃除しづらい
・利便性が悪い
・デザインが好みでない
上記5点について解説させて頂きました。

新築やフルリフォームでのプランはもちろん、部分リフォームでも可能なものもあります。

ぜひ皆様の、理想の洗面台選びのお力となれれば幸いです。

また、水まわり設備の選び方として、
キッチンの選び方についても解説しております。
ぜひコチラも御覧ください。

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