安く新築・リフォームを行うための【感応度逓減性の話】

圧倒的な節約効果【感応度逓減性】について

新築やリフォームを検討されたとき、まずは皆さんその金額の大きさにびっくりされることと思います。
土地を買って新築を建てる、あるいは中古住宅を購入してリフォームする。
そうなると数千万円のお金が必要になってくることもよくあります。
そんな人生で最も高価な買い物とも呼ばれる住宅購入費用だからこそ、節約できたときの恩恵も大きいですよね。
本記事では、そんな人生で最も高価な買い物を節約するのに役立つ、感応度逓減性について解説させて頂きます。

本記事の内容

・感応度逓減性とは
・実際に新築・リフォームとどの様に関わってくるのか
・実は営業マンはみんなこの事を知っている
・新築リフォームを安くするための具体的方法
・その他日常で役立つ場面

上記のような内容を解説させて頂きます。

パーソナルホームズでは26年間、沢山のお客様と新築・リフォームを行わせて頂きましたが、工事金額が高くなっていってしまう理由の一つとして、これから新築・リフォームを検討されている方には是非知っておいて頂きたい内容だと思いましたので、解説させて頂きます。

感応度逓減性とは

まずはこの聞き慣れない言葉、感応度逓減性(かんのうどていげんせい)について解説させて頂きます。

感応度=ある事象に対して、その人が受ける感じ方
逓減性=徐々に減っていくこと

つまりは、あることに関して徐々に反応が薄くなっていく、つまり慣れていってしまうということです。

この言葉自体は、行動経済学のプロスペクト理論という、人間が意思決定を行う際にどのように選択していくかの理論の中で出てくる言葉です。
感応度逓減性という言葉自体は、よく投資や金融の分野で利用されています。

扱う金額の大きさに慣れてしまう

では具体的にどのようなことかというと

A:高校生の時、月5,000円のお小遣いが3000円減らされてしまった。
B:社会人になって、月給300,000円が297,000円に減らされてしまった。

上記のAとBだと、Aの時の方がショックが大きいということです。
Aの場合ですと、ただでさえ貴重なお小遣いが6割減されてしまったわけですから当然ですよね。

しかし、損失額は同じ3,000円です。

例えば一人暮らしの会社員であれば、税金に家賃や水道光熱費、車のローン、携帯代、その他様々な生きていく為に必要なお金が発生しており、その中から自由に使えるお金となるとだいぶ少なくなってきますが、3,000円程度の損失であればなんとかなってしまう気がしてしまいます。

このように、扱っている金額が大きくなると、同じ3000円でも価値を低く感じてしまう傾向があります。

また、給料が上がったのに全然貯金が貯まらないなんて話もよくありますが、これも扱う金額が大きくなり、「これぐらいならいいか」といつもより少し多めの支出をしてしまい、それが次第に慣れていってしまうということが起こっていることが多いですよね。

つまり、人は金額が大きくなると、お金に対する価値が薄くなってきてしまうということです。

新築・リフォームにおける感応度逓減性

金額が大きくなると、普段の判断基準とは変わってきてしまうということでしたが、新築・リフォームなどはまさにこの典型例ですね。
新築やリフォームですと、数百万円〜数千万円の見積もりを見ながら打ち合わせていくことになります。
打ち合わせの内容次第で、見積もり金額も変わっていきますが、1つの判断で数百万円の増減が出るなんてこともあるでしょう。

そうして高額な打ち合わせを繰り返しているうちに、10万円単位の変更でもあまりビックリしないようになってきます。
これは実際に何度もお打ち合わせを行わせて頂く中で、私達も感じるところです。
そんな時は、「どうしても金銭感覚が麻痺しやすいので気をつけましょう」という旨をアドバイスさせて頂きます。

もちろん、全てがまずいという訳ではありません。
せっかく新築・リフォームするのだから、今のタイミングでやっておきたいというお気持ちも分かりますし、打ち合わせを進めていく中で、今まで気づいていなかった「やりたいこと」が出てくることもあるでしょう。
ただ、金銭感覚が麻痺してしまい、あれもこれもついでだからやってしまおうとなるのは危険ですねというお話です。

「慣れて金銭感覚が麻痺しやすい」ということを頭に入れておけば、「本当にその金額分の価値があるのか」ということを判断する際に役に立つことでしょう。

また、以下で住宅工事が感応度逓減性によって金銭感覚が麻痺してしまいがちな理由を解説致します。

高単価の物がある

住宅の中で高単価になってくるものの代表例としては、まずはなんと言っても水回りの住宅設備機器でしょう。
特にユニットバスやキッチンなどは数十万円以上、中には100万円を超えるものもあります。
しかし、実際にこの金額を構成しているのは、設備機器のランクとオプション類です。
オプションだけで10万円を超えるものもあります。
この水回り機器の仕様を決めるのは、打ち合わせの後半戦の頃ですので、高額な見積もりに慣れてきてしまっていることも多いです。

打ち合わせの詳細については、
【失敗しないために】リフォームの打ち合わせで決めること13選
上記の記事で解説しておりますので、ぜひご覧下さい。
打ち合わせでどんな内容を決めていくのかを詳細に解説しております。

数量が多い

新築・リフォームの見積というのは、大変細かく見積されています。
そのため、
・そもそも見積項目が多い
・一つの部材を大量に使用する
という特徴があり、そもそも項目が多く、更にその数量が多いという状況です。

かといってそれをまとめてしまうと、「一式で30万です」という何とも不誠実な見積になってしまうので、仕方の無い部分かもしれません。

その為、一つ一つの単価は小さくとも、塵も積もれば山となり、大きく金額に影響してきますので、ここも気をつけたいところですね。

住宅ローン

新築はもちろん、リフォームにおいてもローンを使用されることもあります。

ここまでで解説させて頂いた、感応度逓減性による慣れに加えて、「月々の返済にすると1000円しか変わらない」という状況になってきます。

実際に最近の低金利ですと、35年ローンであれば、100万円でも月々の返済は2500円前後の変動ではないでしょうか。

ただし、支払総額が変わったわけではありません。


この様に、金額の大きさや、見積の特性、ローンによる支払いの分散などにより、どうしても甘くなりがちであると認識しておきましょう。

営業マンはみんな知っている

ここまでで、いかに新築・リフォームが金銭感覚が麻痺しやすいかということがお分かり頂けたかと思います。

そしてこの事実は、営業マンであれば皆知っていることでしょう。
感応度逓減性という言葉で知っているかは分かりませんが、皆さん体感的には知っている筈です。

「お客さんは打ち合わせの後半になってくると、財布の紐がゆるくなる」と。

よくあるセールストーク「一生に一度の買い物ですから」とオプションを勧めてくるという話は、まさにこれを利用したものですね。
悪用しようと思えば、極端にグレードの低いプランで見積もっておいて、後からどんどんグレードアップさせ、後から単価を釣り上げるということも可能になります。

「一生に一度の買い物」であるからこそ、価格に見合った価値を手に入れたいですね。

新築・リフォームの工事金額を安くする為の具体的手法

では実際に見積金額を抑える為には、どの点を抑えるべきでしょうか?
良い悪いは別として、金額を調整しやすい項目をお伝えします。

①住宅設備機器

まずはなんと言っても住設機器でしょう。
カタログで選んでいる時は「これぐらいで十分かな」と思っても、ショールームに行くと豪華なキッチンが一番目立つところに、これでもかと飾ってあります。
メーカーさんも売ってなんぼですから当然ですよね。

キッチン:加熱機器・カウンタートップ・扉の面材・食洗機・キッチンパネル・吊戸棚・背面収納
ユニットバス:パネルの色柄・浴槽の形状・浴室乾燥機

上記のオプションなどは、ついつい高い方に目移りしてしまいがちなオプションですので、ご参考までに。

②フローリング

フローリングは床面積に応じて必要数が変わってきますので、金額を抑えたい場合はフローリングの種類を見直してみましょう。

③建具

パントリー部分の扉など、思い切って無しにしてオープンにしてしまう手段もあります。
その他の収納部分も建具を無くすことでコストダウンできますし、オープン収納にすると、普段から整理整頓しようと心がけることもできます。

④屋根の形状

新築の場合ですが、屋根の形状が複雑になると、手間や材料費がかさんできます。
コストとしては、寄棟>切妻>片流れの順に安くなっていきます。

⑤サッシ

サッシのグレードや数量によってコストダウンが可能です。
ただし、サッシのグレードを下げる場合は注意が必要です。

夏場は外部伝わってくる熱の7割がサッシからで、
冬場は内部から逃げて行く熱の6割がサッシからです。

断熱性能において、サッシは大変重要な部分ですので、ここをコストダウンすると、性能に大きく影響します。

後からは容易に交換することのできない部分ですので、できればグレードは落とさずに、不要な窓を減らしたり、サイズを小さくすることをオススメします。

⑥フェンスや門扉

昔は敷地の境界にはブロック塀を建てるのが普通ですが、最近ではオープンの住宅も増えてきています。
防犯面で欲しいという方もいらっしゃいますが、逆に外から見えづらいので、誰もいないときに侵入されると、近所からも見えなくなってしまうということもあります。
この辺りは考え方次第ですので、悩まれるようでしたらまずは付けなくても良いかもしれませんね。

⑦エアコン

エアコンについては、機種もそうですが、エアコンは家電量販店で別途購入するのも良いでしょう。
正直、家電量販店さんで本体購入+取付設置のほうがお安いことが多いです。
ただし、完成したらすぐに引っ越さないといけないなど、日程がタイトな場合は日程調整に気をつけましょう。
エアコン取付は工事の最終段階で行いますので、うまく日程調整できないと大変です。
特に夏場や冬場は気をつけたいところですね。
また、隠蔽配管といって、配管を隠さないと行けない場合など特殊な工事もありますが、その場合量販店さんですと対応して頂けない場合がありますので、その際はご相談下さい。

まとめ

ここまで、新築・リフォームは感応度逓減性によって金銭感覚がマヒしてしまう、と説明させて頂きました。

今回の記事でお伝えしたいことは「その価格に見合った価値かどうか」を一度しっかり考えて頂きたいということです。

「少しでも家事の負担を減らしたい」
「コミュニケーションが取りやすい住まいにしたい」
「家族の健康・安全が第一」
「趣味に没頭できる秘密基地がほしい」
「友人たちが自然と集まってくるような楽しい時間を過ごせる空間にしたい」

人によって様々な価値観をお持ちかと思います。
とは言うものの、全てを叶えようとすると、建築というのは予算を掛けようと思えば青天井で、どこまでも金額は上がっていきます。
今回解説させて頂いた、感応度逓減性の話を有効活用して、
ぜひご自身にとって理想の生活を手に入れて下さい。

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